人事制度がないというだけで、若者の離職・転職が増えています
最近の若者研究を通じてわかったこと
このところの採用難を背景に「最近の若者の研究」を弊社なりに行いましたので、以下にその内容を踏まえて解説させていただきますが、その前に、皆様の会社では下記のような質問を応募者or 既存の若手社員の方から受けたことはありませんか?
若手社員からよく聞かれる質問事例
●こちらの会社にはどういう教育カリキュラムがあるのでしょうか?
●こちらの会社では入所後、どういう方法で教育しているのですか?
●先輩、うちの会社で5年くらい勤めると、お給料はいくらくらい貰えるのですか?
●〇〇さん、うちの会社ってどういう仕組みで給料を決まっているのですか?
●会社の各種既定を見たいのですが、誰に言えば見せてもらえますか?
上記は全て、弊社でお付き合いのある会社の若手社員から出た質問事例です。皆様の会社でも似たようなことを聞かれたことがあるのではないでしょうか?
そしてその際、「今どきの若い奴らは面倒臭いな」とか「厄介な奴が応募して来たな。うちみたいな規模の会社にそんなものある訳ないだろう!」と思いませんでしたでしょうか?
ロールプレイングゲームで育った若者たちの思考とは?
みなさまもドラゴンクエストに代表されるロールプレイングゲーム(RPG)は何となくご存知だと思いますが、今の若者は幼い頃からこういったRPGに馴染んでいます。
また、RPG以外の各種ゲームでも、点を取る・ポイントを上げるための手順や方法を誰もが事前に理解した上で、戦略を立てて取り組んでいます(プレイしています)
ですから、上記のような質問をされるとされた方はビックルするかも知れませんが、「これから働き始める前に将来のキャリアプランを考える・確認することは当然」のことなのです。
まずは、前提条件が以前とは異なっていることをご理解下さい。
経営者はなぜ評価制度を作ろうと思い立つのか?
ところで、ある程度社員数が増えて来ると「そろそろうちの会社も評価制度をつくらないとダメかな?」と考える方が多いですよね。では、なぜ多くの経営者の方は評価制度を作りたいと思うのでしょうか?
人件費総額をコントロールしたい
- 増加傾向にある人件費をコントロールしたい
- 頑張った人とそうでない人の昇給・賞与に差を付けたい
- 会社の利益を確保するため
組織の活性化
- 社員のモチベーションのアップ
- 昇給・賞与に対するメンバー間の不公平感の除去
- 会社として明確なキャリア・ビジョンを示すため
つまり、多くの経営者は「評価制度」を作りたいのではなく
1.会社の業績と人件費を連動させ、安定的に経営できる仕組みを作りたい
2.自らが求める働き方を社員の方々に示したい
のではないでしょうか?
人事制度とは?
では、人事制度とは一体何を指すのでしょうか?
1.等級制度
等級制度とは平たく言えば、経営者が担って欲しい働き方を昇給や賃金と連動させるために段階上に設定したものです。
経営者の方からよく聞かれる不満に
- 課長としてそれなりの給料を払っているのだから、給料に見合った働きをして欲しい
- もう3年目なのだから、〇〇くらいは一人でできるようになって欲しい
というものがありますが、例えば、G3等級に上がるためには〇〇と✕✕ができなければ上がれない、課長になったら〇〇と✕✕ができなければ降格になる、あるいは昇給はしない、といったことが明示されていたら、個々人の働き方は変わると思いませんか?
2.賃金制度
賃金制度とは、先ほど例に挙げました「うちの会社で5年くらい勤めるといくらくらい貰えるのですか?」を具体的な賃金まとめたものです。(右はモデル賃金の例)
社員の方々は「頑張れば〇年後には年収〇万円くらいになるなら頑張ろう!」という見通しがあれば頑張りますが、「うちの会社は頑張った人にはきちんとボーナスも出すのだから頑張れ!」といくら言っても、きちんと決められたものがなければ社員からしたら「空手形」を切られたようなものですよね。
また、賃金制度があるから、今いる社員が成長した際の人件費総額の予測もできるため、人件費総額のコントロールも可能となる訳です。
3.評価制度
最後は評価制度です。
一般的に人事制度と言いますと「評価制度を作ること」のイメージがありますが、弊社の優先順位としましては、1.等級制度⇒2.賃金制度⇒それらをつなぐものっとして3.評価制度 があると考えています。
実際のところ、「賃金制度」という裏付けのないまま、イケイケで評価制度を作って、危うく人件費倒れになりそうな事務所もあるようです。
また、会社の規模によっては評価制度はなくても良いと考えています。
以上、人事制度について解説いたしました。
冒頭にもお伝えしましたように、最近の若者は「キャリアプランが描けない事務所」には入社しませんし、入社しても早期に辞めてしまう傾向があります。
是非、今後も若手を中心に採用し、事務所を拡大して行きたいと考える皆様は、是非この機会に人事制度の構築もご検討下さい。
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